interview

テレワーク

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変化を受け入れ、新たな試みも

変化を受け入れ、新たな試みも

児珠大輔さん

移住の決め手は通勤のしやすさだった 下野市へ移住するまでは、埼玉県狭山市から東京都品川区のオフィスまで約2時間かけて通勤する日々。 こまめな乗り換えが多く通勤ストレスを抱えていたことと、IT企業で働いているため「いずれはテレワークになるだろう」という思惑もあり、「家を建てるときは地方でも良いかもしれない」との想いは長年あった。 自身は埼玉県の生まれだが、両親の転勤で中学から大学卒業までは宇都宮市で過ごした。また、奥様の出身は栃木県。土地勘のある栃木県は、必然的に移住候補地のひとつだった。 移住先を決める上でのポイントは、「通える範囲であることと、通勤のしやすさ」。埼玉県内のターミナル駅や宇都宮線、高崎線沿線などを候補に挙げたが、最終的に選んだのは下野市。始点・終点にもなる「小金井駅」があることが最大の魅力であった。 「宇都宮線は“小金井止まり”という電車も多く、都内からでも下野市までであれば本数は結構多いです。」 移住により通勤ストレスが軽減されたものの、埼玉県から栃木県に移住したことで、同僚は「通勤、大変じゃないのか」と気にかけてくれるようになった。 「通勤時間で言えばそれほど大きな変化はないのですが、埼玉県から通勤していた時は乗り換えが多くて、まとまった時間が取れなかったんです。座れないことも多く、とにかく通勤が苦痛でした。下野市からは乗り換え無しで通勤できるので、読書したり、映画を観たり、睡眠が取れたり。時間を有効活用できるのが嬉しいですね」 テレワークで変化した、仕事環境とライフスタイル 下野市からの通勤は苦ではなかったと話す児珠さん。2020年3月末までは毎日オフィスへ出社する日々が続いていた。 しかし、東京都で緊急事態宣言が発令される直前に、状況は一変。完全にテレワーク生活となった。 「栃木から通勤していた自分に限った話ではなく、全社員がテレワークになりました。幸い、我が家には自室があったので、そのまま仕事部屋になりましたが、都内に住む同僚たちは部屋数が限られる人も多いので、家族との折り合いは大変そうですね」 そんな児珠さんにも、テレワークを機に買い足したアイテムが2つある。 情報漏洩を防ぐためのヘッドホン、そして背景用のグリーンバックだ。テレワーク当初は、毎朝グリーンバックをセットするところから仕事の準備が始まったという。 また、作業環境を整えるために、長年取り付けたいと思いつつ後回しになっていたキーボードスライダーをDIYで設置した。これにより、作業効率がアップ。 「もっと早く設置すればよかったのですが、毎日使うデスクではないのでなかなか重い腰が上がらなかったんですよね」と苦笑い。デスク周りの環境を整えられたことも、テレワークを機とした変化のひとつである。 そして、テレワークによってもたらされた生活面での変化も。 また市役所の上司も「1年目は、まず地域のことをしっかり知ることが目標。くらいの気持ちで活動してみて。」と優しく見守ってくれた。 そのような環境だったからこそ、疋野さんも安心して、地域に入っていくことができたという。 そうした中で、力を入れて取り組んだのは女子旅ツアー。旅行会社での経験を活かし、栗山地域に人を呼ぶ企画を考えた。また、都内の大学生に来てもらい、地域を巡って名所や暮らす人たちを紹介する冊子『あがらっしぇ栗山』を製作。(※「あがらっしぇ」とは「あがっていきな、寄っていきな」というニュアンスの栗山地域の方言)いずれも好評を得て、成果を感じられたという。 これまで1時間40~50分ほどかかっていた通勤時間を、そのままウォーキングの時間に充てたことだ。 下野市に移住して2年ほど経った頃から、生活習慣の改善としてウォーキングをはじめたが、当初はそれほど長い距離ではなかった。しかし、テレワークをきっかけに距離を伸ばし、今では毎朝8kmほど歩いているそう。 「毎日歩いていると、季節の変化を感じられるんですよ。夏は田んぼの稲が少し伸びたな、とか。秋だと葉が色づきはじめたな、とか。純粋に自然を楽しんでリフレッシュすることが多いですが、今日仕事でこなしたいタスクなど、始業前に頭の中を整理する時間でもあります」 歩くことは週末も欠かさない。お子さんも一緒に歩いてくれることは、週末だけのウォーキングの楽しみだからだ。 テレワークで大切なのは同僚との信頼関係 朝6時に起床。ウォーキングと朝食を済ませ、8時50分には自室のデスクへ。正午に1時間の休憩をはさみ、18時~19時に仕事を終えるというのが現在のワークスタイル。 オフィスへ出勤していた頃と比較して一番大きな変化は、終業時間が2~3時間早まったことだ。 「自宅だと、自分でやらなければいけない作業に集中できるので、とても捗ります。会社だと、誰かに声をかけられると作業が中断してしまうので。一人で取り組む仕事が多い場合、テレワークは本当に良いなと感じています」 逆に、デメリットについては、「他の人と連携して取り組まねばならない仕事はスムーズにいかなくなった、と感じています。隣の席にいればちょっとしたことでもすぐ聞けたことが、できなくなった。あとで聞こうと思って、そのまま忘れてしまうことも。長期的プロジェクトだと、些細なことがあとで大きなトラブルにもなりかねないので、その点は気をつけなければと思っています」 完全にテレワークが始まった2020年3月末以降、同僚のサポートもあり2回しか出社していないという児珠さんだが、出社をした際に、やはり同僚と直接顔を合わせてコミュニケーションが取れる時間もいいな、と感じたという。 「贅沢なわがままかもしれませんが、本音を言うと、月に2~3回くらいは出社するスタイルが、自分には一番合っているかもしれません」とはにかむ。それも下野市からの通勤に苦痛がないからこそ思えるのだ、とも。 テレワークをうまく実践するための、児珠さん流のコツを聞くと、 「見られていない分、しっかり仕事して結果は出さないといけない。わからないことは誰かに聞いて、すぐに解決する。結局テレワークは”信頼関係”によって成立するものだと思うんです。一度でも相手を疑ってしまうと、関係がギクシャクしてしまう。そうなると、仕事もうまくいかなくなってしまいますから」 テレワークを通じて見つけた、 自分の住むまちでやりたいこと 下野市で過ごす時間が増え「自分も何か地域に貢献できないか」と意識するようになったという。 まずは地域のイベントに参加してみようと、情報を探していた時に見つけたのが、下野市が開催していた「しもつけクエスト」だ。 関係人口の創出や、まちづくりに関わる人材の育成を目的としたもので、児珠さんはそこで市役所の職員、市内で活動する若手プレイヤーなど、多くの出会いを得た。 「やりたいことは、どんどん発信しないとできないよ!」。イベントのプレゼンターが発したこの言葉が、児珠さんの背中を押した。 「自分には、仕事を活かしたパソコンのスキルがある。例えば子どもたちにスマホの使い方を教えたり、おじいちゃん・おばあちゃんが遠方に住む孫とテレビ電話ができるようにサポートしたり、地域の為にできることはあるんじゃないかと思っています。今後は、そういった自分のスキルを発信し、まちに貢献できる人になりたいですね」と力強く語った。 テレワークを通じて、またこのまちに新たなプレイヤーが現れようとしている。そう感じた瞬間であった。

子育て、家事、仕事。今がちょうど良いバランス

子育て、家事、仕事。今がちょうど良いバランス

冨永美和さん

山形、栃木、茨城、やっと見つけた定住の地 山形に生まれ、就職も山形で。冨永さんが長年の慣れ親しんだ土地を離れたのは、結婚がきっかけであった。夫も同郷の出身だが、栃木県内で働いていたこともあり、2015年に山形から栃木県下野市へ移住。 冨永さんの会社は都内にも事業所があり、仕事は辞めずに転勤という形で東京に通勤することになった。その後、夫の転職を機に一度は茨城県古河市へ。 ちょうどその頃、第一子が生まれたこともあり、古河近辺でマイホームを建てたいと考えるようになったという。 東京通勤が可能な街を条件に、茨城県、埼玉県なども調べてみたが、条件に一番合ったのが現在暮らしている小山市であった。 下野市や古河市に住んでいた頃は、東京・港区のオフィスまで電車で通勤していた。在来線なので電車に乗る時間は1時間30分程度。ドアtoドアだと2時間ほどかかっていたという。 「下野市に住んでいた時は、まだ子どもがいなかったので東京通勤でもよかったのですが、出産後、古河市に移住し通勤していた時は、子どもと触れ合える時間がとても少なかったんです」。 朝は子どもが起きる前に家を出ていたため、コミュニケーションを取れるのは帰宅後のわずかな時間のみ。 「私の中で、子どもと会話する時間を確保することはとても大切で。通勤していた時の働き方ですと、いずれ会社を辞めなければいけないな、と考えていました」。 育児と仕事の両立の難しさに悩む中、第二子出産のため産休を取ることに。 ちょうど小山市に建てたマイホームも完成し、2018年4月、冨永さんファミリーは小山市に移住し、新たな暮らしが始まった。 仕事、育児、家事、全てをこなせるのはテレワークのおかげ 育児休暇の最中、世の中の動きが一変した。 新型コロナウイルスの影響で、2020年4月から所属する部署の社員は全員テレワークに。冨永さんは2020年8月に職場復帰するも、他の社員と同様にテレワークという形での復帰となった。現在もテレワークは続いているが、事務処理のため月に一度だけ出社している。 テレワークになったことで、生活は大きく変化したという。これまで通勤に充てていた時間で家事ができるようになったので、夜に家族とくつろぐ時間がとれるようになった。 「毎晩、子どもに絵本を読んであげられるようになりました。テレワークになったことで、仕事、育児、家事、全てが効率よくこなせられるようになったのはとても嬉しいですね」。 またテレワークのメリットとして、「昼休みを有効活用できるのは大きい」という。 細々した家事を昼休みの間にこなしたり、気分転換に外出し、簡単な買い物を済ませることもできる。最近は家にいる時間を心地よく過ごせるよう、花を買いに行くことも増えたそうだ。 逆にデメリットも多少なりともある。 2020年8月の職場復帰の際に部署が変わったのだが、同僚全員がテレワークだったため、顔と名前、担当業務を十分に把握しきれていない部分があった。そのため作業の非効率を感じることが稀にあるそう。 「私の場合、異動とテレワークのタイミングが重なってしまったという稀な状況ではありますが、全員がテレワークだとこういう難点もあるんだな、と感じています」と苦笑い。 それでも、チャットですぐ連絡が取り合えるため大きな支障はなく、テレワークの継続は強く望んでいるという。 取り入れたいヒントがたくさん、 冨永さん流テレワーク環境と実践のコツ 冨永さんの主なワークスペースは、リビングとキッチンの間にある。一般的な住宅の間取りではあまり見慣れない、半個室のようなスペース。 たまたまなのか、意図的なものなのか伺うと「もちろん意図的です。職場に数名、以前からテレワークをしている方がいたんです。地元に戻られて仕事を続けている方たちで。前例があるので、いつか私もテレワークができるかも。という思いがあり、家を建てる際に作業スペースを確保しました」。 専用の部屋を作らず、あえてリビングとキッチンの間にレイアウトした点が、仕事と育児と家事を両立したいという冨永さんらしい。 「ここなら、子どもがいる時でも目を離さずにちょっとした作業ができますし、昼休みや終業後、すぐ家事に取りかかることができるのでとても便利な場所です」。 良い点は他にも。「1つの部屋に、自分のデスク、リビングテーブル、ダイニングテーブル、3つの机があるんです。仕事では主に自分のデスクを使いますが、食事や気分転換したい時は使うテーブルを変えています」。 同じ部屋にいながら作業する場を変えるというのは、気分転換の方法として誰でも気軽に取り入れられそうだ。 そしてテレワークを楽しむために冨永さんが実践しているのが、飲み物を充実させることだ。「珈琲や紅茶は専用のマシンを使って、様々なフレーバーを楽しめるようにしています。毎日麦茶では、なかなかモチベーションが上がらないので」。 仕事をする上で心がけていることを聞くと「会社の方から連絡があった際は、すぐにレスポンスします。また、社内の方とはチャットを使ってやり取りしているので、できるだけ簡潔に、わかりやすく相手に伝えるよう意識しています」。 相手から見えない分、常に仕事をしている姿勢を示すことで信用を失わないようにすること。また相手もスムーズな仕事ができるよう心がけて対応すること。このようなことはテレワークによって学べたことだ、と話してくれた。 テレワークと小山の暮らしがもたらした日々の幸せ テレワークはしばらく続きそうではあるが、会社としては一時的な対応であるという。 「ただ、私としてはこのままテレワークを続けたい。会社にも相談しています」と話す。 仕事、家事、育児、全てがこなせる今のバランスが良いのはもちろんだが、その場所が小山であることもポイントになっている。 「今まで、いくつかの街で暮らしましたが、小山での暮らしがとても気に入っているんです」。 その理由として、気候が良いこと、広い公園が多いこと、子どもも楽しめるマルシェが多いことなど、子育て環境の良さがまず挙がるという。 またテイクアウトを行なっているお店や、SNSで情報発信してくれるお店も多く、小さな子どもがいるママにとってはとてもありがたいのだそう。 「お店の方の、地域を盛り上げよう!という気持ちが、SNSやマルシェを通じて伝わってくるんです。地元への愛着がとても強いんだなぁって。そんな街に暮らせて、本当に良かったと思います」。 小山で暮らしはじめて新たに見つけた趣味もある。 「次男が生まれてから、洋裁を始めたんです。息子たちの洋服を作ったり、洋服を作ってお友達にプレゼントしたり。子どもの為でもありますが、自分の趣味でもあるので、楽しいです。そういった時間が取れるようになったのもテレワークのおかげですね」。 東京から近く、新幹線も停車する小山市。その利便性の良さから、人口が増え続けている街でもある。 東京通勤している方も非常に多いが、小さなお子さんを持つママであれば、少しでも子どもと一緒にいる時間を確保したいところ。 テレワークによりお子さんとの時間をしっかり確保しながらも、月に1度の東京通勤は気軽に行ける、そんなバランスが子育てママにはちょうどいいのかもしれない。皆さんも、とちぎでテレワークをしながら、理想の暮らしを実現してみませんか。

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