• 次世代の職人を育成し、<br>真岡を「いちごと技術」の街に
装飾 装飾 装飾 装飾 装飾 装飾 装飾
  • interview
  • interview
  • interview
  • interview

有限会社田村工機 COO 専務取締役

戸頃 智浩(ところ ともひろ)さん

次世代の職人を育成し、
真岡を「いちごと技術」の街に

高校卒業後、都会的な暮らしに憧れて静岡へと飛び出した戸頃さん。しかし母の病をきっかけに真岡市へ戻り、家業の町工場で職人としての道を歩み始めた。

真岡での暮らしで感じたのは、「ゆるやかな時間」と「人の温かさ」。自然豊かな環境の中で子どもたちはのびのび育ち、地域との交流も日常に根付いている。

現在は、家業で培った技術を活かしたアウトドア製品の開発や、工場併設カフェの運営を通じて職人文化を発信。「真岡を、いちごと技術の街に」―そんな思いを胸に、未来を担う若者の育成にも力を注いでいる。

今回は、戸頃さんが歩んできた道のりと、真岡市で描くこれからの挑戦についてお話を伺った。

STORY

家族の縁が導いた、真岡での再出発

茨城県筑西市で生まれ育った戸頃さん。高校卒業後、海の美しさと富士山の姿に惹かれ、静岡県への移住を決意した。

「若いときの勢いでしたね。富士山には一度も登っていませんが(笑)」

静岡での暮らしは自由で刺激的だったが、21歳のとき、母の病気をきっかけに大きな転機が訪れる。実家にほど近い栃木県真岡市(旧・二宮町)へ戻り、家業である有限会社田村工機に入社することになった。

「当時の自分は、都会的な便利さと自然のバランスがある場所が好きでした。そのため、茨城に戻ることには葛藤があって…。地元の魅力を見つけられずにいたんです」

そんな中、真岡市に空き家として残っていた母の実家の存在が移住を後押しした。結婚のタイミングも重なり、真岡で新たな生活をスタートすることに。

「家族の縁がなければ、真岡に来ることはなかったかもしれません。でも、この決断が今の自分をつくってくれたと思います。家族や友人からは意外だと驚かれましたが、応援してくれる人が多かったですね」

若さで飛び出した静岡での経験と、家族のつながりが引き寄せた真岡での再出発。その選択が、20年以上にわたる職人としての歩みと、地域への深い愛着へとつながっていく。

ゆったり流れる時間の中で見つけた、真岡の魅力

真岡市に移住してから、戸頃さんの暮らしは大きく変わった。家業の町工場で職人としての修業を始めてから、気づけば20年近くの年月が経った。

「職人って、どこからが一人前って言えるものでもないんです。ただ、日々技術に向き合っているうちに、家業や地域の可能性を感じるようになりました。」

真岡での暮らしは、都市部と比べて時間がゆっくりと流れる。そのおかげで、自分らしい働き方を実現できたと感じているそうだ。工場の経営や現場に立つだけでなく、カフェやアウトドアブランドの立ち上げなどの新しい挑戦にも取り組み、その一つひとつが喜びになっている。

自然に恵まれた真岡市で、子どもたちはのびのびと育ち、地域の人々との交流も日常に根づいている。

「真岡には工業団地があり、さまざまな人が移り住んでくることもあってか、新しい考えが受け入れられやすいと感じます。田舎かもしれないけれど、人は都会的で、移住者も多くなじみやすい印象ですね」

子どもを見守る地域の環境も安心感につながっている。小学校までの道は整備されていて安全。帰宅したお子さんに「今日も無事に帰ってきてくれてよかった」と感じられる日常の一コマが、幸せを実感させてくれるのだとか。

休日は、公園や川沿いをお子さんや愛犬と散歩したり、家族でカフェを巡ったり。スマホを手放し、ただ会話を楽しむ時間が何よりの贅沢だという。

「朝日を浴びて目覚め、夕日を眺めながら庭で食事をし、夜は星を見ながら子どもと語り合う――そんな日常が本当に幸せなんです。
東京まで約1時間半でアクセスできる利便性もあり、仕事でのプロモーション活動にも役立っています。自然と人の温かさ、そして利便性が共存する真岡は、自分の生き方と向き合える場所です。」

職人文化を発信する拠点としての工場とカフェ

戸頃さんが立ち上げたブランド「TMR industries」が手がけた代表的な製品の一つに「L.T.Cooker」がある。雪山登山が趣味の戸頃さんは、厳冬期の山でお湯を沸かすのに時間がかかりすぎることに不便さを感じ、自社の技術を応用して開発に挑んだ。

「登山中、寒さの中でお湯を沸かすのに本当に時間がかかって…。そこから、どうにかならないかと試作を始めました。失敗の連続でしたが、挑戦をやめることはありませんでした」

社内の反対を押し切って導入した特殊な機械を駆使し、試行錯誤を重ねた。数多くの失敗を繰り返しながらも、自社の強みである滑り止め加工を応用することで加熱効率を高める工夫を見出し、製品化に成功。積み重ねてきた努力と粘り強さが、新しいブランドを生み出す原動力となった。

その挑戦の延長線上にあるのが、現在準備を進めている工場併設のカフェだ。ここでは工場で製作したアウトドアグッズを展示・販売し、訪れる若者や全国から足を運ぶファンが、職人の技に直接触れられる場となっている。

真岡市には若者が働ける業種が少ないという課題がある。カフェを立ち上げた理由のひとつに、この課題を解決したいという想いがあった。

「工場を見学したいという声があれば、包み隠さず技術を見せたい。そこから職人に興味を持つ若者が増えてくれればと思っています」

さらにカフェには、大型犬がのびのびと走り回れるドッグランを併設予定だ。小型犬が中心となる施設が多い中で、愛犬のような大型犬も、安心して遊べる場所をつくりたいという。

「カフェの周りは一面田んぼで、その景色がとても気に入っています。地域の人たちと関わりながら過ごせることも、大きな喜びですね」

カフェには地域の人々が気軽に訪れ、交流が生まれる場にもなっている。戸頃さんは、お年寄りから真岡の歴史を聞いたり、有機農家で田植えを手伝ったりするなど、土地や人とのつながりを大切にしながら、職人文化と新しい価値を発信し続けている。

職人文化を未来へつなぐ挑戦

戸頃さんがこれから注力したいと考えているのは、職人文化を次の世代へつなぐことだ。真岡市では若者が働ける業種が限られており、地域に根づいた新しい働き場を生み出すことが課題となっている。

「勉強が苦手でも、技術を身につければ生きていける。その文化を復活させたいんです」

そう語る戸頃さんは、「勉強が苦手な若者を職人に育てるプロジェクト」を立ち上げ、現在は2名の若者を育成中だ。将来的には地域にとどまらず、日本全国へと広げたいと考えている。また、職人として働く人材を育てるだけでなく、自ら経営に挑戦できる若い経営者を増やしていくことも目標に据えている。

一方で、職人の技術継承は依然として追いついていないのが現状だ。その危機感から、同じ志を持つ仲間や経営者を増やすため、メディアを通じた発信にも力を入れている。

「正直者が馬鹿を見ない世界をつくりたい。挑戦を続ければ必ず報われるということを、若者に伝えていきたいんです」

さらに、戸頃さんは真岡市を「いちごと技術の街」として発展させ、次の世代が夢や希望を持てる地域にしていきたいと考えている。職人文化を守りながら、世界に誇る「Made in Japan」を届けることが、自身の使命であると語る。

「ここ真岡は、人と自然が温かい場所です。移住を考えている方は、まずはmonacaに足を運んでみてほしい。世代を問わず過ごしやすく、きっと幸せを感じられると思います」

子育て支援センターや図書館、地域交流センター、カフェなどが入る複合交流施設であるmonacaは、戸頃さんのお気に入りの場所だ。地域の拠点としての存在感があり、人と人をつなぐ役割を果たしている。

次世代の若者が夢や希望を持てる、「いちごと技術」の街に―。その実現に向けて、戸頃さんはこれからも挑戦を続けていく。

PROFILE

次世代の職人を育成し、<br>真岡を「いちごと技術」の街に

有限会社田村工機 COO 専務取締役

戸頃 智浩(ところ ともひろ)さん

茨城県筑西市出身。海の美しさと富士山の姿に惹かれ、静岡県に移住するが、母の体調不良をきっかけに真岡市に移住。家業である有限会社田村工機で職人修行を開始した。2022年、冬山登山での経験から登山用鍋「L.T.Cooker」を開発し、アウトドアブランド「TMR industries」を設立。2024年には工場併設カフェ「Café Terrasse SlowlyLily」を開業し、職人文化の発信と若手育成に力を注いでいる。

TMRindustries Instagram

https://www.instagram.com/tmr_chillhikers/

OTHER interview他の先輩移住者の声を読む

魅力を再発見!<br>親子でのびのび高根沢ライフ

魅力を再発見!親子でのびのび高根沢ライフ

小野島 友紀さん・小野島 徹さん

東京から高根沢へ。 家族とともに始まった新しい暮らし 2024年9月、東京都内のマンションを手放し、栃木県高根沢町の実家へ移住した小野島友紀さん。 フリーランスのデザイナーとして活動しながら、夫でお笑い芸人の徹さん、4歳 […]

オーガニックで町につながりを

オーガニックで町につながりを

松原 努(まつばら つとむ)さん

有機農業との出会い 出身は三重県津市。小学校低学年の一時期を岐阜で過ごしたものの、それ以降は大学受験まで三重で育った松原さん。大学進学を機に東京へと上京し、一人暮らしを始めた。 有機農業を志すきっかけとなったのは、自身が […]

楽しいことに<br>フルコミットする人生を通じて<br>地方の可能性を示したい

楽しいことにフルコミットする人生を通じて地方の可能性を示したい

四十万 直人(しじま なおと)さん

地域活性化を人生の主軸に 東京のIT企業に勤めていた頃の生活を、四十万さんは振り返った。 「仕事に追われる毎日で、休日のために生きているような生活が続いていました。ふと、このままでいいのかなと考えるようになりました」 そ […]

自分を救ってくれた<br />「心のふるさと」を<br />たくさんの人に届けたい

自分を救ってくれた「心のふるさと」をたくさんの人に届けたい

吉田 夏希(よしだ なつき)さん

苦しい状況の先に見つけた 地方移住という選択肢 コロナ禍という厳しい時期に就職した吉田さん。横浜市の実家から都内に通勤し、化粧品研究開発の仕事に携わっていたが、会社の業績悪化により転職を余儀なくされた。神奈川県内の化粧品 […]

Uターン起業で挑む、 <br>小さなまちの大いなる可能性<br>を引き出すまちづくり

Uターン起業で挑む、 小さなまちの大いなる可能性を引き出すまちづくり

高塚 桂太(こうつか けいた)さん

世界を見た末に選んだ、人口1万人のまち バックパッカーとして世界中を旅し、フィリピンへの1年間の交換留学を経験するなど、大学在学中、精力的に活動していた高塚さん。外務省管轄の独立行政法人に内定し、卒業後はタイで日本語教育 […]

暮らしも学びもつながりも。</br>すべてが詰まったジャム作り

暮らしも学びもつながりも。すべてが詰まったジャム作り

五十嵐 洋子(いがらし ようこ)さん

まるでヨーロッパのような、 ゆったりとした暮らし 義理のご両親の健康をサポートするため、野木町に移住した五十嵐さん。父親の仕事の関係で、子どもの頃から国内外さまざまな土地で生活してきたため、野木町は実に11ヶ所目の住まい […]

「地域おこし協力隊」という</br>選択肢で、人生の目標へ

「地域おこし協力隊」という選択肢で、人生の目標へ

武田 真悠香(たけだ まゆか)さん

自然と「住みたいな」と思っていた 京都府出身で、千葉県内の大学に進学した武田さん。 一見、栃木県とはなんの縁もなさそうな武田さんが那須烏山市に移住することになったのは、大学在学中に始めた長期アルバイトがきっかけだった。 […]

「好き」に全力に、</br>暮らしを愉しむ

「好き」に全力に、暮らしを愉しむ

齋藤 剛(さいとう ごう)さん

自由を求めて宇都宮へ、そして芳賀町へ 青森県出身の齋藤さん。東京の大学に進学して建築を専攻し、卒業後は大手ハウスメーカーに就職した。 転機が訪れたのは、社会人4、5年目になった頃だった。一級建築士の資格を取得した大学の同 […]

真岡市について

真岡市

栃木県南東部に位置する真岡市は、東に連なる八溝山地、西に流れる大河・鬼怒川を抱える自然環境豊かな都市。
市内に5つある工業団地には約90社もの企業が操業しており、農業・工業・商業そして自然がバランスよく調和しています。

平均降水量は1306.2mm、平均気温は13.5度、日照時間は2044時間となっています。
積もるほどの雪が降ることは珍しく、年間を通して過ごしやすい地域です。

東京駅から東北新幹線で約1時間40分と、アクセスも良好。
車では、茨城空港まで1時間、成田国際空港まで2時間で行くことができます。

真岡市の
移住体験プログラム

栃木県移住促進オーダーメイドツアー(移住促進コンシェルジュ) | オーダーメイド

栃木県移住促進オーダーメイドツアー(移住促進コンシェルジュ)

【アーカイブ動画有り】宇都宮&県東エリア🌻ワクワクSummer”とかいなか”体感ツアー🌻親子限定栃木県移住体験ツアー | パッケージ

【アーカイブ動画有り】宇都宮&県東エリア🌻ワクワクSummer”とかいなか”体感ツアー🌻親子限定栃木県移住体験ツアー

SUPPORT移住支援を知る

最大100万円+αの移住支援金をはじめ、さまざまな支援制度・補助金をご用意しています。
スムーズにとちぎ暮らしをスタートできるよう、また、移住後に後悔しないよう、
最新の情報をこまめにチェックするようにしましょう!

CONTACT移住について相談する

ちょっと話を聞いてみたいだけの人も、
本格的に移住を相談したい人も、どんな相談でもOKです!
お気軽にご相談ください!