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日光市地域おこし協力隊 栗山地域
活動期間:2016年4月〜2023年3月
(日光市独自の活動期間2年延長制度(※)+育休2回取得)※現在、延長制度は廃止。

疋野 みふ(ひきのみふ)さん

考えるより行動。動いていたら、やりたいことが見つかった

千葉県に生まれ、都内の旅行会社に勤務していた疋野みふさん。観光地としての日光市は知っていたけれど、栗山地域を訪れたのは地域おこし協力隊になることが決まってからであった。 この地域に、自分がどう貢献できるか。探りながら日々を過ごすうちに、趣味ではじめたアクセサリーづくりと、地域の課題になっていた鳥獣被害が掛け合わさり、鹿革で商品をつくるという道が開けた。 ここに至るまでの道のりと、協力隊卒業後に向けたこれからの活動について、お話をうかがった。

STORY

転職を考えたときに知った“地域おこし協力隊”という働き方

前職は旅行会社勤務。5年間働き、これからのライフプランを考えたときに「どこか地方で、全く別の仕事を経験してみたい」と考えていた疋野さん。転職の相談をしていた先輩が「こんな働き方もあるみたいよ」と教えてくれたのが、地域おこし協力隊だった。

全国の市町村が、さまざまな活動内容で協力隊を募集していることを知り、「これだ!」と思ったそう。北は北海道、南は沖縄までさまざまな地域を調べた中で目に留まったのが栃木県日光市。

「旅行会社で働いていたので、もちろん日光市のことは知っていました。観光地に住んでみるのもおもしろそうだな、と思いましたし、最長5年間勤務できるという市独自の支援制度(※現在は廃止)は魅力的でした。また同じ関東圏なのでどこか安心感があったという点も決め手になりました。」

選考を受け、採用となった疋野さんは、2016年4月より日光市地域おこし協力隊として栗山地域で活動することとなった。

「栗山地域に初めて来たときの印象は、“思った以上に山の中だな”とは思いましたが、移住するなら街でも山でも、どっちでもいいと思っていたので、特に不安はなかったですね。」

まずは地域を知ることで、やるべきことを見つける

日光市の募集内容はフリーミッション。栗山地域の活性化のために、活動内容は自分で考えるというものだった。

「正直、来る前から“あれをやろう”“これがしたい”という明確なものはなかったんです。地域を見て、地域の人と話をする中で、何が求められているのか。それを見つけて、課題解決に取り組めたらいいなって。」

周りの人たちにも恵まれた。栗山地域で協力隊を採用したのは疋野さんで4期目。既に先輩たちの活躍があったので、地元の人たちも「新しく来た人だね〜」とすんなり受け入れてくれた。

また市役所の上司も「1年目は、まず地域のことをしっかり知ることが目標。くらいの気持ちで活動してみて。」と優しく見守ってくれた。
そのような環境だったからこそ、疋野さんも安心して、地域に入っていくことができたという。

そうした中で、力を入れて取り組んだのは女子旅ツアー。旅行会社での経験を活かし、栗山地域に人を呼ぶ企画を考えた。また、都内の大学生に来てもらい、地域を巡って名所や暮らす人たちを紹介する冊子『あがらっしぇ栗山』を製作。(※「あがらっしぇ」とは「あがっていきな、寄っていきな」というニュアンスの栗山地域の方言)いずれも好評を得て、成果を感じられたという。

しかし、活動を続けていく中で、徐々に課題も見えてきた。

「若い世代が仕事を求めて栗山地域を離れていく。どうすれば仕事を生み出せるかな、ということを考えるようになりました。」

未経験からの革製品づくり

地域に仕事をつくる。そんな想いでたどり着いたのが“鹿革”を使った革製品だ。シカの食用以外の用途として皮革を資源化し、活用する取り組みをしているグループ『日光MOMIJIKA』に出会ったことがきっかけであった。

「東京にいた時は、野生動物による鳥獣被害なんて全く知りませんでした。農作物や植物への被害を減らすために、増えすぎてしまった野生動物は捕らえないといけないんです。」

ただ、ひとりでこの問題に取り組んでも意味がない。仲間を見つけることからはじめた。

「“鹿革塾をやります”というチラシを作り、地区内の回覧板で受講者を募りました。講座に参加してくれたメンバーに加え、その後に出会った手芸が得意なメンバーが加わり、現在8名が在籍しています。」

それまで、革製品づくりは未経験だったという疋野さん。

「会社員時代は毎日帰宅が夜中になるのが日常だったのですが、協力隊になったら定時上がりで。帰宅しても時間が有り余っていたんです(笑)それでアクセサリーづくりをはじめてみたのですが、それが案外楽しくて趣味となり、革製品づくりへと繋がっていきました。」

現在、『Nikko deer』というブランド名で活動しており、アクセサリーやキーホルダーといった小物から、バッグやサンダルといったものまで製作している。

「デザインは各メンバーの発案で、みんなが“いいね!”と言ったものを、作り方を共有して製作しています。どんどん新作ができていくし、それぞれのアイディアも良いものになっていくので、日々進化を感じますね。」

コロナ禍で、集まって製作する機会は減ってしまったが、疋野さんが各家を周って打ち合わせをしたり、出来上がった作品を回収したりしながらコミュニケーションを深めている。

「作品はイベントを中心に販売しています。Webショップもありますが、実際に手に取って、背景にある鹿革の話も知ってもらいたいので、今後もイベントには力を入れていきたいですね。」

これからの夢と、伝えたいこと

2児の母でもある疋野さん。同じ栗山地域で活動していた先輩隊員の男性と結婚し、子育てと仕事を両立する働くママでもある。

「育児については、夫と役割分担をしながら何とかこなしています。近所の方にも、みんなに可愛がってもらっているので、ありがたいですね。」

そんな疋野さんも、2023年3月に協力隊を卒業する。

「卒業後は、引き続き鹿革製品の販売や製作体験に取り組んでいきます。新たに、店舗販売も考えていて、現在物件の交渉中です。また、それとは別にキッチンカーでの移動販売もやりたくて。将来的には、キッチンカーと店舗を併設して、ジビエをやりながら鹿革製品の販売ができたらいいなぁと考えたりもしています。」

卒業後に向けての夢がどんどん膨らんでいるという。

「協力隊になった当初は、“自分に合わなければ、3年で東京に戻ればいい”そんな気持ちでした。でもこんなにも地域の方に受け入れてもらえて、地域の方と一緒にやりたいことが見つかって、そしてまさか結婚して、子どもが生まれるなんて。協力隊になったことで、人生が大きく変わりました。だから最初から“こうあるべき”と気負わずに、“なんとかなる”くらいの精神で移住先に飛び込んでみてもいいんじゃないかな。ひとまず動いてみて、ダメならダメでまた別なことを考える。考えすぎると悩みが増えるだけなので、とにかく行動する。それが私からのアドバイスですね。」

PROFILE

考えるより行動。動いていたら、やりたいことが見つかった

日光市地域おこし協力隊 栗山地域
活動期間:2016年4月〜2023年3月
(日光市独自の活動期間2年延長制度(※)+育休2回取得)※現在、延長制度は廃止。

疋野 みふ(ひきのみふ)さん

千葉県出身。旅行会社で働いていたが、25歳の時に地方で新しいことをしてみたいと思い、地域おこし協力隊として日光市栗山地域へ移住。大都市から山の暮らしへ。環境の変化に大きなギャップはあったものの、無いなら無いで何とかなる、と割り切り自然の中での暮らしを楽しむ。前職での経験を活かしたツアー企画や、趣味を活かして鹿革を利用した商品開発を中心に活動。「Nikko deer」というプランドを立ち上げ、地域の女性たちとチームを組んで製作・販売を行う。協力隊3年目に、同じ栗山地域の先輩隊員と結婚。2子を授かり、2度の育休を経てワーキングママ協力隊として、仕事も育児もこなす日々。ちなみに、プロフィール写真背景の鹿革は出産祝いに地元の方からいただいたもの。協力隊卒業後は、店舗販売とキッチンカーでのビジネスを目指し、地元産の食材を使ったスイーツの販売もしたいと考えている。

【Nikko deer】
https://nikkodeer.thebase.in/

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標高200mから2,000mを超す山岳地域まで大きな起伏により、年平均気温は市街地で12℃、山間部7℃程度という冷涼な地域です。

四季を通じて変化に富んだ観光・スポーツ・レクリエーションが楽しめます。

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