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移住体験プログラム

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佐野市におためし住宅ができました!

佐野市におためし住宅ができました! | その他

 

2021年春、佐野市に新しくおためし住宅ができました。

移住をする前に、佐野市での生活を実際に体験していただけます。
日常のお買い物や通勤、在宅でのリモートワークをやってみたり、レンタカーを借りて運転してみたり、移住した後の生活を思い描いて色々と体験してみてはいかがでしょうか。

ご利用方法などはこちらから

佐野市について

佐野市

佐野市は関東平野の北端、栃木県の南西部に位置し、東京から70km圏内にあります。
高速バスや新幹線を利用すれば、都心まで約90分の近さです。

北部から北東部、北西部にかけては緑豊かな森林や美しい清流に恵まれた中山間地域、南部と西部は住宅や産業基盤が集積する都市的地域と農業が展開する地域となっています。
国道50号と東北自動車道が交差する佐野新都市地区には、アウトレットやショッピングセンターなどの大型商業施設が進出し、関東一円から多くの人が訪れています。

佐野市の先輩移住者の声

穏やかな余白時間と首都圏への通勤、どちらも叶えられる暮らし

穏やかな余白時間と首都圏への通勤、どちらも叶えられる暮らし

尾花 理恵子(おばな りえこ)さん

穏やかな時間と、首都圏への通勤が叶う暮らし 2021年まで、東京都内の会社で勤務していた尾花さん。地方移住をしようと思ったきっかけは、自分の人生を一度見つめ直したかったことだという。 「会社員時代は、忙しくて空を見上げる暇もないくらい余裕がなかったんです。大きなプロジェクトをやり遂げて一区切りがついたとき、会社を辞めて、好きで続けていたヨガのインストラクターとして独立しようと思い至りました。仕事だけでなく、暮らす環境や人間関係などもがらりと変えたかった。候補はいくつかありましたが、全く知らない土地でスタートするよりも、生まれ育った佐野に移り住むことが精神的な安定にも繋がると思い、Uターンを決めました。実家から徒歩20分ほどのところで一人暮らしをしています。」 栃木県南西部に位置する佐野市は、東京から70キロ圏内というアクセス良好な立地。利便性と豊かな自然を両立しているので、首都圏での仕事が継続できることが大きなメリットだ。 尾花さんによると「東京に比べると広くて家賃も安いので、独立して起業をしたい人にとっても良いエリア」とのこと。 尾花さん自身、様々な縁があり、居住地である栃木県佐野市、東京都の武蔵小山エリア、神奈川県川崎市の3拠点でヨガクラスを持ち、週に3〜4日は高速バスで通勤。 会社員時代と同じく多忙な毎日のように見えるが、尾花さんの心持ちはまるで異なるという。 「高速バスだと新宿まで1時間半。東京や神奈川での仕事日も、必ず佐野の自宅に戻っています。東京で生活していた頃、自宅に帰っても仕事のことで頭がいっぱいだった私には、むしろバスの通勤時間がオン・オフの気持ちの切り替えになっていい。佐野に着いてバスを降りると、空が広く、空気がおいしくて…毎日ホッとしています。」 オン・オフの境目がなかった、東京での一人暮らし。 移住して余白の時間が生まれたことで、「目の前の景色の移り変わりを感じられるようになった」という尾花さんの声は明るく穏やかで、今の生活の充実度を物語っているかのようだった。 東京からのアクセス良好な佐野市エリア 四季を通して多くの自然に恵まれている佐野市。南北に長い土壌で、北に連なる山々からの“豊富で良質な水”は、古くより佐野の食文化を育んでいる。 「近所のスーパーでは、地場産コーナーがあったりするので、今朝採れたみずみずしい新鮮な野菜が、日常的に安く手に入るのがうれしい。また、移り住むことになって再確認したのが、佐野市独自の食の豊富さ。全国的に有名な佐野らーめんをはじめ、いもフライや黒から揚げなどのご当地グルメ、他にも喫茶店文化があり、店主さんのこだわりコーヒーが飲めたり…と、移住してからの小さな発見が楽しいんです。」 店を直接見てまわる楽しみ、地域の人とのやりとりの心地よさのおかげか、ネットショッピングをほとんど利用しなくなったほど。 そんな風に暮らしの変化を楽しんでいる尾花さんが、今回提案してくれたのは、2泊3日の短期滞在で「1日ごとにテーマを決めて行動する」というアイデア。 「例えば、1日目は自分をいたわるリトリートDAY、2日目は滞在先で働いてみる日…のような感じで、ここに“暮らす”生活を想像しながら動いてみてはいかがでしょうか。佐野市の生活では車移動がマストなので、着いたらまずはレンタカーをピックアップ。車があれば行動範囲も広がり、気分転換にもなると思いますよ。」 ショートステイのすすめ1「ひとり時間の息抜きになる、リフレッシュスポットを見つける」 「仕事や人間関係などに疲れ、忙しい生活から離れたくなったら、ふらっと気軽に佐野市に訪れてほしい」という尾花さんの思いが反映された1日目のプランは、心身をリセットできるスポット巡りがテーマ。 「一人暮らしでもファミリーでも、リフレッシュできる場所は生活圏内に欲しいですよね。私が深呼吸をしに訪れる出流原弁天池は、最高の癒しスポット。佐野は水がきれいなことでも有名なのですが、ここの湧き水の透明度の高さは日本名水百選に選ばれるほど! そして、唐澤山神社もぜひ参拝して欲しい場所。境内にいるさくらねこを愛で、軽く汗をかくくらいのハイキングができます。リフレッシュできたら、おいしい食事で体の内からも癒されて。栄養士の女性が創業されたキャトルクワトンは、新鮮な野菜たっぷりのランチが食べられるのが魅力。店主マキさんの優しい人柄にも癒されます。」 他にも、尾花さんが散歩におすすめする朝日森天満宮など、自然のエネルギーや、神聖な気が宿る場所が数多く存在する佐野。 ショートステイ中に日頃の疲れを癒して、パワーチャージができるお気に入りスポットを見つけて帰るのもいいかもしれない。 ショートステイのすすめ2「暮らすように働いてみる」 移住後のリモートワークを想定して、2日目は市内のコワーキングスペースへ。 「女性専用コワーキングスペースVALO、佐野駅近くのコミヤビルニカイの他、佐野市内には多くのサテライトオフィスやコワーキングスペースがあるそうです。パソコンを持ち込んで午前中はリモートワークをしたら、神谷カフェでランチ休憩を。ここは、スパイスカレーやパンケーキが人気のお店。ランチだけでなく、カフェ前にあるコンテナでスイーツのテイクアウトもおすすめです。仕事の続きをする際のおやつにぜひ!」 夕食にはテイクアウトを利用して、自宅でのリモートワーク気分を味わった2日目。あえて予定や目的を詰め込まないことが、“暮らす”気分で過ごせる秘訣なのかも。 ショートステイのすすめ3「食べ歩きを楽しみながら、その土地の空気感を味わう」 3日目のスタートは、尾花さんが講師を務めるsano yoga ruitoで開催される早朝ヨガクラスに参加。 地元の方が集まって交流するような場所に飛び込むことで、違った角度からその土地のことが知れるはずだ。 「気持ちよく体を動かすことからスタートした最終日のプランは、食べ歩きがメイン。佐野を代表するB級グルメや、私も大好きなコーヒーショップを巡りながら、町の空気感を肌で感じて欲しいです。」 福伝珈琲店をはじめ、WAFFLE COFFEE、蔵和紙カフェカクニ、COFFEE&DONUTS FIVEなど、佐野駅周辺におしゃれなコーヒーショップが点在しているのでカフェのはしごも可能。 佐野らーめん晴れる屋の佐野らーめん、佐野の新名物でもあるからあげ家なるねこの黒から揚げ。たくさんのおすすめを挙げてくれた中でも尾花さんいちおしなのが、佐野の農作物を使ったジェラート屋さん。 「佐野は年間を通して様々なフルーツが採れるので、地元産の季節の果物を使ったジェラートが絶品なんです。佐野観光農園アグリタウンにあるGelateria Auguriをはじめ、市内に数店舗あるので、実家の母と弟を誘って食べに行くのにハマっています。今や趣味のひとつですね!」 プランに余裕があれば、佐野厄除大師や佐野プレミアムアウトレットなど、佐野を代表する観光スポットにも足を運んで、たっぷりと佐野の魅力を味わう2泊3日。 様々な側面を知れたことで、移住に繋がっても繋がらなかったとしても、この町とつながりを持ちたくなる…このショートステイの経験が、未来の自分への想像を膨らましてくれそうだ。 今の環境に疲れてしまったら、深呼吸ができる場所へ 自然が身近にある佐野での穏やかな時間と、首都圏への通勤による活気のあるワークスタイル。 その両方を叶え、新たな暮らしを手に入れた尾花さん。 「今後の自分自身のあり方に、疑問や不安を抱えているなら、まずは気軽な気持ちで佐野へぜひリフレッシュに来てください。私自身、人生やキャリアに行き詰まった30代前半に、仕事・拠点・人間関係を少しずつ変化させながら現在の生活スタイルになりました。一度きりしかない人生、自分が幸せな気持ちで過ごせる選択ができますように…!」 「この豊かな自然に囲まれながらヨガやアーユルヴェーダのワークショップをやりたい」と、近い将来の展望を語る尾花さんのように、移り住むことで見えてくるものもきっとあるはず。 豊かな自然、利便性、食文化…人によって新たな価値が見つけられそうな佐野市。 まずは深く考えず、美味しいものを食べ、心穏やかな呼吸を感じるためだけに。そのくらいの軽やかさで足を伸ばしてみるのはどうだろうか。 ※この記事は、NEXTWEEKENDと栃木県とのコラボレーションで制作しています。

日々を豊かにする器を

日々を豊かにする器を

茨木伸恵さん

長く愛される、普遍的な美しさを形にしたい 工房におじゃますると、ちょうど茨木さんが土をこね、作陶の準備をしているところだった。新しいものなのに、何十年と時を重ねたような味わい深い質感やフォルム、水色やグレーなどの美しい色合いが魅力の器たちは、一つずつ手びねりでつくられている。 「ロクロよりも、地道に手びねりで成形していくほうが、自分には合っているんです」 新潟県の出身で、文化服装学院で服飾デザインを学んでいた茨木さんが陶芸の道に進んだ理由にも、じっくりものづくりに向き合いたいという同じ思いを感じた。 「どんどんトレンドが移り変わっていく、ファッションデザインのサイクルの速さに違和感を感じて。もっと長く愛されるものづくりがしたいと思うようになったんです」 こうして文化服装学院を卒業後、1年かけて資金を貯め、岐阜県の多治見市陶磁器意匠研究所に入学。2年にわたり陶磁器のデザインを学んだ茨木さんは、多治見の焼き物メーカーに就職し、そこで働きながら自身の作品も製作する日々を過ごしていた。けれど、当たり前だが、最初から現在のような作品がつくれたわけではなかった。 「私は、古代ペルシアやギリシアなどの美術が好きで、展覧会に行くと感動して、わーって舞い上がってしまうほどなんです。その“根源的な美しさ”を、なんとか形にしたいと試行錯誤を重ねて、ようやく目指す色合いや質感が表現できるようになってきたのは、意匠研究所を卒業して5、6年が経ったころからです」 ヨーロッパから国内まで、各地で作品を発表 ちょうどそのころ、二つの大きな転機が訪れる。一つは、作品の販売について。2013年に、パリにある有名なセレクトショップ「Merci(メルシー)」のバイヤーが多治見を訪れたとき、茨木さんの作品が目にとまり、同店で扱ってもらえるように。それをきっかけに、デンマークやイギリスなど、ヨーロッパ各地で作品を発表し、スウェーデンで個展も開催。国内でも全国各地で個展を開くなど、活動の場が広がっていった。 さまざまなクラフトフェアにも出展していた茨木さんだが、ある年の「クラフトフェアまつもと」に参加したとき、事情があり開催時間に遅れてしまった。出展場所が、来た順番に埋まっていくなかで、最後まで空いていたのが木陰の小さなブース。そのとき、たまたま隣になったのが、山根さんだった。 「僕はギターが直射日光に当たらないように、あえて木陰を選んで出展していたんです」(山根さん) この偶然の出会いがきっかけとなり、二人は2015年に結婚。茨木さんは、山根さんの地元である佐野市に移り住むことに。これが二つ目の大きな転機だった。 自然も街も身近にそろうのが佐野の魅力 現在、茨木さんは、ご主人の山根さんと長男(5歳)、長女(3歳)の家族4人で、佐野市に暮らしている。佐野で生活して実感するいちばんの魅力は、冒頭にも書いた「ちょうどよさ」だ。 「佐野は、身近に自然が豊富にありながら、生活に必要なものは近くでなんでも手に入り、交通の便もいい。ちょうどいいバランスで、本当に住みやすいんです。『佐野市こどもの国』などの大きな公園から、唐沢山や美しい川まで、子どもたちと出かけられる場所もたくさんあって、子育てがしやすいところも魅力ですね」 この日は、関東平野を一望する唐沢山の山頂へ出かけた。唐沢山は、山根さんがよくランニングに訪れる場所。茨木さんは、唐沢山の近くの浅間山山頂から松明を持って山を降りる「浅間の火祭り」にも、参加したことがあるという。 一方で、東京へのアクセスの良さも、大きなポイントだ。高速バスで、約1時間30分で都心まで出られるので、美術館の展覧会に出かけたり、ギャラリーを巡ったりと、インプットなどを目的にフットワーク軽く訪れることができる。 「交通の便がいいので、友達もよく遊びにきてくれます」 人との出会いが、新たなチャレンジの刺激に 佐野に移り住んでから巡り合った“人”も、大切な財産になっている。例えば、今年80歳になる陶芸の先生は、足利市の山奥に薪窯をつくり、主にお茶の道具などを教室の生徒たちと10日間かけて焼き上げている。 「私は、作品の幅を広げたいと思い、ロクロを習いに通っています。先生は技術だけでなく知識もとても深く、茶道の道具のことや薪窯のことなど、たくさんのことを教わっています」 人との縁が刺激となり、ものづくりの本質的な部分に向き合い、新たなチャレンジをしていきたいと感じるように。ご主人の山根さんも、そんなプラスの影響を与えてくれる一人だ。 「彼のものづくりの姿勢は本当に真面目で、1本のギターをコツコツと3カ月ほどかけて、丁寧につくり上げるんです。私も、じっくりと製作に向き合い、日々を豊かにする器を、これからも目指していきたい」

ほっと、リセットできる場所に

ほっと、リセットできる場所に

関 恒介さん

〝自分勝手〟に生きることが大事なんだ   「みんな、人のために生きすぎなんじゃないかな」 店主の関さんは、コーヒーを淹れながら、そう話す。 「カウンターのこっちに立つようになって思うのは、まずは自分自身が楽しく、家族が幸せに暮らしていないと、お客さんを笑顔にできないということ。間違っているかもしれないけど、今は〝自分勝手〟に生きることが大事なんだと思っています」 例えば、小学4年生の娘さんに、「仕事が終わったら、すぐに帰ってきてね!」と言われたとしても、お店の片付けが終わったあと、30分好きな音楽を聴いてから帰宅する。そうやって少しだけ自分を大切にすることで、いつも穏やかに笑顔で過ごすことができる。 「このお店が、お客さんにとって、そんな息抜きの場所になっていたら嬉しいですね。Waffle Coffeeに寄ってから帰ったことで、家でもニコニコ過ごせたと言われるような場所に」 コーヒー屋で働く人たちが、みんないい顔をしていたんです 関さんは、千葉県柏市の出身。20代前半の2年間を、学生としてロサンゼルスで過ごした。音楽に熱中し、レコードを買いあさる日々。そして帰国後は、ミュージシャンとしてCDを出す傍ら、会社員としてのわらじも履き、仕事を続けてきた。そんな関さんが移住を考え始めたのは、2011年ころのことだ。きっかけは大きく二つある。 「そのころ、ワーゲンに乗って日本を一周したいと言っていた祖父や、アメリカを横断したいと話していた母などの身内が、立て続けに亡くなってしまって。やりたいことは後回しにせずに、今を大切に楽しく生きなくては、と強く思ったんです」 もう一つは、会社員の仕事で、壁にぶつかっていたことがある。 「僕は、自分で言うのもなんですが、会社員としては本当に仕事ができなくて。自分では頑張っているつもりでも、いつも年下の上司に怒られていました」 当時も、しょっちゅうアメリカを訪れていた関さんは、滞在中、よくコーヒーショップに立ち寄っていた。 「コーヒー屋で、働いている人たちの顔を見ると、チェーン店で働く人たちよりも、個人でお店をやっている人たちのほうが、みんないい顔をしていたんです。やらされているのではない。ニコニコ楽しそうに仕事をしている。そんな姿を目にして、自分も好きなこと、得意なことで勝負しようと決意しました」 コーヒーは、もともと好きで、自分で工夫しながら淹れていた。焼き菓子やケーキは、日本ではなかなかアメリカで食べた味に出会えず、ないなら自分でつくろうと家で焼いていた。器やアンティークも好きで集めていて、自宅はDIYで改装していた。 「そうやって、自分が情熱を注げるものを集めていったら、自然と今のコーヒーと焼き菓子のお店にたどり着きました」 NYのブルックリンのような、ポテンシャルを感じて お店を開く場所を探して足利市なども見て回ったが、佐野市を選んだ理由は、「適度に街で、適度に田舎で、交通の便もいい」ところ。奥さんの実家の群馬県館林市に隣接しているところ。「佐野の人は穏やかで、やさしい」ところなどが決め手に。 「うまく言えませんが、なんか好きだなぁって感じて。ここが、自分たちの暮らしにフィットしたんです」 さらに、佐野の街にポテンシャルを感じたのも、大きな理由だ。 「ポートランドやニューヨークのブルックリン、ロサンゼルスのダウンタウンなど、僕がアメリカにいたころには、今のように注目を集める街になるとは、想像もつかなかった。それが、物価や家賃が安いからと、アーティストやクリエイターたちが集まってきて、コーヒーショップや古着屋、レコード屋など、感度の高いお店がどんどん誕生していった。佐野にも、そんなポテンシャルを感じたんです」 このコンビニだった物件は、よく足を運んでいた「自家焙煎 福伝珈琲店」(Waffle Coffeeの2軒隣で、コーヒー豆は福伝珈琲店から仕入れている)の店主が紹介してくれた。それを、約1年かけてDIYでリノベーション。1900年代初頭の古き良きアメリカの空気に満たされた、Waffle Coffeeが誕生したのは、2016年4月のことだ。 佐野の居心地が良すぎて、家も買っちゃいました 「こないだ気づいたら、『きな粉のマフィン』をつくっていて。これはそろそろアメリカに行かなくちゃダメだなと思って(笑)」 そう話すように、関さんは今でも定期的にアメリカを訪れ、ベーカリーやコーヒーショップを巡り、実際に食べておいしいと感じた焼き菓子やケーキを、甘さやスパイスを少し抑えるなど、日本人の口に合うようにアレンジして提供している。素材は、娘さんにも安心して食べさせられるものを基準にセレクト。フルーツなどの盛り付けは、あえて綺麗に行わず、アメリカのラフな雰囲気を再現している。 「そうやってつくった焼き菓子を、おいしいと言ってもらえたとき、喜んでもらえたときが、何よりも嬉しいですね。また、お客さんから『福伝さんとうちと、今日はどっちに行こうかと迷えるのがありがたい』と言ってもらえたときも嬉しかった。そうやって訪れるお店の選択肢が、もっともっと佐野に増えていったらいいですね」 お店を訪れる若い人たちから、「自分もお店を開きたい」と相談をされることもある。 「そんなときは、『佐野は東京などの都市部に比べて家賃が安く、クリエイティブなことにも挑戦しやすいんだから、どんどんやるべきだよ!』って、もう何人もの背中を押しています」 さらに週末には、若い人たちがお店に来やすいよう、同世代の若いスタッフに、なるべくお店に立ってもらうようにしている。 「そうやって微力ながらも応援していくことで、若い人たちが新たなお店を立ち上げ、また次の世代の子たちの背中を押して……と、佐野に魅力的なお店が、どんどん増えていったら楽しいだろうなって」 実は、関さんは、佐野市内に1960年代に建てられたプール付きのもと別荘を格安で購入し、現在、自宅へとリノベーション中だ。 「これこそが、まさに佐野の住みやすさの証! この街が気に入らなければ、家は買わないですから(笑)」

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