那須烏山市移住促進パンフレット「なすからいふ」を作成しました
那須烏山市では、移住促進を図るため、移住相談や移住フェア等で配布するパンフレットを作成しました。
市の紹介をはじめ、子育て環境、各種支援制度、移住者の声等を掲載しています。
本市にご興味を持たれた方や移住をご検討の方は、ぜひご覧ください。
【掲載内容】市の紹介/移住・定住支援制度/子育て環境/教育/就労支援・創業支援・就農支援/移住者の声/Q&A
詳細は以下のURLよりご確認ください。
那須烏山市では、移住促進を図るため、移住相談や移住フェア等で配布するパンフレットを作成しました。
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栃木県の東端に位置し、県庁所在地・宇都宮市から約20~35kmの距離にある那須烏山(なすからすやま)市。
西は高根沢町、北はさくら市と那珂川町、南は市貝町と茂木町、東は茨城県の常陸大宮市に接しています。
八溝山系の豊かな緑を背景に、関東随一の清流・那珂川が平野部をつらぬき、日本の原風景を残す美しい田園風景や里山が広がります。
ユネスコ無形文化遺産および国の重要無形民俗文化財に登録された「烏山の山あげ行事」や烏山城跡をはじめとした遺跡群など、数多くの文化遺産が残る、歴史と文化が息づくまちです。
武田 真悠香(たけだ まゆか)さん
自然と「住みたいな」と思っていた 京都府出身で、千葉県内の大学に進学した武田さん。 一見、栃木県とはなんの縁もなさそうな武田さんが那須烏山市に移住することになったのは、大学在学中に始めた長期アルバイトがきっかけだった。 那須烏山市にある、龍門の滝。高さ約20m、幅約65mの大滝で、滝の上を走るJR烏山線の列車と四季折々の絶景の共演が楽しめる人気スポットだ。 龍門の滝のすぐそばにある「龍門ふるさと民芸館」に勤める知人から誘いがあり、当時大学生だった武田さんは、龍門ふるさと民芸館内にある「龍門カフェ」のアルバイトとして働き始めた。 繁忙期に1〜2週間程度、住み込みで働く長期アルバイト。 知人がいたとはいうものの、実際に那須烏山市を訪れたのは、このときが初めてだった。 初めての土地で住み込みバイトを始める武田さんには行動力を感じられずにはいられないが、 何より驚いたのは、2、3回のアルバイトののち、既に那須烏山市への移住を考え始めていたことだ。 「最初のアルバイトのときから、地域の方にとてもよくしていただいて、『すごくあたたかくて、いい地域だな』と思っていたんです。 そんななかで、2、3回目の長期アルバイトに来たときに『那須烏山市で地域おこし協力隊を募集しているから応募してみない?』と声を掛けていただいて、あっという間に移住を決めていました」 移住へと武田さんの背中を押した、地域の方のあたたかさに触れたエピソードがふたつある。 まずひとつめ。 年季の入った中古車で、千葉県から那須烏山市まで片道3時間半の道のりを通っていた武田さん。 トラブルが起きたのは、長期アルバイトの最終日のことだった。ガタが来たのか、車が動かなくなってしまったのだ。 すでに夜の18時。アルバイト先の方も帰宅していたため、観光協会の職員さんに電話をしたところ、「私から地元の電気屋さんに電話してみるよ」という心強い言葉が。 5分ほどで電気屋さんが駆けつけてくれて、無事直してもらうことができた。 「都会だったら、『自分でなんとかしなさい』とか『車屋さんにもっていきなさい』とか言われてもおかしくないじゃないですか。 そんななかで、見ず知らずの私のためにすぐに駆けつけて、親切に助けてくれて、あたたかいなぁと感じました」 ふたつめ。 千葉県で一人暮らしをして、さらにそこから那須烏山市で住み込みバイト。 心細い気持ちもあったが、アルバイト先の方の心配りに救われた。 「どこに泊まっているの?」「ご飯はちゃんと食べられているの?」やさしい言葉の数々に、安心できる「第三のふるさと」が栃木県にできたような気持ちだった。 アルバイトで訪れるまで、那須烏山市はまったく知らない土地だったが、心あたたまる地元の方との触れ合いにも背中を押され、「飛び込んでみるか!」そう心に決めていた。 夢を実現するため、地域おこし協力隊へ 元々、いろんな場所に出かけたり、新しいコミュニティに参加したりすることが好きだった武田さん。 新しい出会いを求めて、企業のセミナーやインターンシップにも積極的に参加してきた。 そんな経験や行動力が、今まさに発揮されている。 大学時代からWeb制作に興味を持ち始めたという武田さんには、将来、Web業界で独立したいという目標がある。 その目標への道筋として武田さんが選んだのが「地域おこし協力隊」だった。 地域おこし協力隊としてシティプロモーションに携わりながら、地域資源を活かしたWeb制作にも取り組める。 やりたいことに近づくため、地域おこし協力隊が最適な選択肢だったのだ。 目標が明確だったので、就職活動も行わなかった。 大学3年生にもなれば、皆が足並みを揃えて就職活動を始める。 何がやりたいのか、何のためにやるのか、それすらも分からないまま、なんとなく右にならえで始めてしまうこともあるだろう。 就職だけが選択肢じゃないんだよ、と武田さんの生き方が改めて教えてくれた。 独立という目標に向けて、武田さんの準備は着々と進んでいる。 まずは、Webデザイン。大学の専攻は経営学だったので、デザインは独学で身につけてきた。 インターンで、アプリ開発に携わっていた経験も活かされている。 今では、担当するシティプロモーション業務以外でも、チラシ制作の依頼などをいただくことがあるそうだ。 デザインだけで終わらせず、その先の見てくれる人のことを考えて、どういうお手伝いができるか、それを真剣に考えながら制作に励んでいる。 武田さんが制作したWebサイトの一例 烏山線 100th https://karasen-100th.studio.site メグロの聖地・那須烏山プロジェクト https://meguro-nasukarasuyama.com/ 地域おこし協力隊の業務は週4日。 昨年からはデジタルマーケティング企業で週2日働きながら、ITマーケティングの勉強も始めた。きっかけは、栃木県庁が開催していたセミナー。講師を務めていた社長にWeb制作に携わっているという話をしたら、「アルバイトとして働かないか」と声を掛けてもらった。 自然と人を引きつける、武田さんの愛嬌や行動力は、地域おこし協力隊として存分に発揮されている。 「できたらいいな」が、まちぐるみの活動へ 地域おこし協力隊としての活動は、シティプロモーションやWeb制作、SNS運用、チラシデザイン、地域イベント企画、関係人口創出にかかる企画まで多岐にわたる。 「移住定住シティプロモーション」というテーマで活動していた際、同世代の地域おこし協力隊メンバーと「那須烏山市に新しい動きを生み出したいね」という話になった。自分たちのやりたいことにチャレンジしながら、那須烏山市のためになるようなことを企画しよう、そう話が進んでいった。 その結果、企画・実施されたのが「真夏の地域留学」という2泊3日の学生インターンプログラムだ。 那須烏山市の魅力を体感してもらうには何ができるか、それぞれが真剣に考えてイベントを企画し、形にしていった。 「真夏の地域留学」のプログラム例 プログラムテーマ:ひ・み・つアートプロジェクト 首都圏の大学生が那須烏山市街地の飲食店を取材し、それぞれの店舗の魅力を紹介するポスター(ひ・み・つアート)を作成。 プログラムテーマ:メグロの聖地 那須烏山 かつて那須烏山市で製造され、かつて東京オリンピックの白バイにも使われた日本最古のバイクメーカー「メグロ」の魅力を伝えるワークショップを実施。 「真夏の地域留学」のほかにも、さまざまなイベントを実施している。 武田さんをはじめ、栃木県内の地域おこし協力隊によって設立された「協力隊NET」のメンバーが中心となって運営した、なかがわ水遊園でのマルシェには、想定を大きく上回る4,000人以上が来場し、大盛況のイベントとなった。 「地域のためになるような、マルシェができたらいいね」同じく県内の地域おこし協力隊と何気なく話していた一言が、来場者4,000人を超える大きなイベントの実現へとつながった。 地域おこし協力隊の活動を通して、地域の方と触れ合う機会も多い。 まちを歩いていると「武田さん、元気?」と声を掛けてもらったり、孫のように可愛がってもらったり。目上の方にお酒を誘っていただけることもある。 インタビューの取材時点で、着任からまだ1年10ヶ月。短期間で驚くほどの、まちへの溶け込みっぷりだった。 「私は、色々なイベントや場所に出て、人と交流することが好きなんです。 地域おこし協力隊として活動していると、夢をもっている方や地域のことが好きな方とご一緒することが多いので、すごく楽しいんですよね」 はにかみながら、キラキラとした目で話す武田さんが印象的だった。 謙虚さをもちながら、内なる情熱を秘めた人。愛嬌があって、周りを自然と取り込む人。 自ら、運や縁を引き込んでいる人なんだろうな、と直感的に理解した。 大好きなまちの魅力を、自分の手で広めたい 地域おこし協力隊になって、もうすぐ2年。すでに多くの経験を積んでいる。 「未熟なところも多いなかで、すごくあたたかく迎えていただき、いろんなことにチャレンジする機会をいただいています。 新卒で就職すると、まずはコツコツと事務的な仕事から始めている友人も多いです。 そんななかで、私は、既に大きなプロジェクトの企画や運営などに携わらせていただいているので、那須烏山市に来て、地域おこし協力隊になって、本当によかったなと思っています」 地域おこし協力隊の任期満了後の展望は…? 「ご縁をいただいた那須烏山市の土地と、つながりをもちながら暮らしていけたらと考えています。 旅行が好きなので、那須烏山市に拠点をもちながら、二拠点生活を送るのも魅力的ですね。将来的には『第二のふるさと』のような場所になればと思います。大切な仲間を連れて帰ってこられる場所にしていきたいです。」 まったく知らないところから、那須烏山市に来て2年と経たないなかで定住を決めるほど、惹きつけられるものは何なのか? 「京都市内に住んでいたこともあるので、都会の便利さも分かります。でも、那須烏山市にはそれとはまったく異なる、素朴なよさがあるんですよね。仕事終わりに見る家の前の田園風景など、ほっとする瞬間が一日に何度もあります。実家のある京都に帰ると、帰省しているはずなのに、なぜか『帰りたいな』と思っている自分がいるんです(笑)」 任期満了後は、那須烏山市に拠点を置きながら、Web制作を通じたプロモーションなど、地域のためになるような取り組みを、独立した自分の手でできるようになっていきたいと思っている。 独学や副業でのスキルアップや地域おこし協力隊としての実務……目標に向けての地盤づくりは着々と進行中だ。 「地域の方のお役に立ながらチャレンジできる機会がたくさんあるのが、地域おこし協力隊です。 就職とは異なる魅力があります。自分を試せる機会でもあるので、興味がある方は、ぜひチャレンジしてみていただきたいです。」 「那須烏山市には、画面だけでは伝わらない、足を運ばないと分からないよさがあります。 メグロの聖地だったり、難攻不落といわれた山城・烏山城の城址があったり、城下町のレトロな街並みが残っていたり……。 那須烏山市は、コアな人ならどっぷりはまるニッチな魅力のあるまちです。 興味をもっていただけたら、実際に生活している方の声を聞いたり、まちの風景を見たりしながら、那須烏山市のことを知ってほしいです。 私でよければご案内しますので、ぜひご連絡ください!」
那須烏山市役所 まちづくり課/NPO法人 とちぎユースサポーターズネットワーク
“遊び場”を一緒に作りたい! 「正直に言えば、街のなかに遊び場が欲しいなあって思ったんですよね。行政の一員としては、問題発言かもしれませんけど!?」 そうユーモアを交えて話すのは、那須烏山市まちづくり課の佐藤篤さん。市としては初めての試みとなる地域おこし協力隊募集の“いいだしっぺ”だ。街なかで、働く場所・住む場所・遊ぶ場所の3つを完結できないかと思ったのが、そもそもの提案のきっかけだった。 佐藤さん 「新たに場づくりを始めようにも、地元にいる同世代の仲間はすでに仕事や家庭を持っているので、一念発起して事業を興せる人は、なかなか見つかりません。でも、全国各地を見渡してみると、創造力に満ちあふれた人たちが地域に移り住み、新しいことに精力的に挑戦しています。那須烏山にも、そんな人たちに来てほしい!と思ったんです。」 本格的な研修制度で持続可能な活動を 今回の募集では、市の地域資源の発掘・開発・販売支援や、空き家の活用、駅前の活性化などに取り組み、任期終了後も、地域で就労・起業する意欲のある人材が求められている。副業や、2,3人でのグループ応募も可能。そして、なんと言っても任期終了後の生業作りのための研修が受けられるのが、最大の特徴だ。全国の過去の事例から、最長3年間の任命期間だけでなく、4年目を見越した出口戦略の必要性を感じ、導入を決めたという。 佐藤さん 「他の地域の協力隊員から『3年後も、ここにいられるかどうかは正直分からない』という声を聞く機会があり、残りたい気持ちはあっても、生業を作るための長期的な展望やノウハウを隊員本人が見出せないことが、協力隊の抱える課題だと気づかされました。そこで、人材育成のためのスキームを作ろうと動き始めたんです。」 まちづくり課と一体となって研修制度を担うのは、宇都宮を拠点とする「NPO法人 とちぎユースサポーターズネットワーク」。若い人たちの力で地域を活性化させることを目的に、企業・大学・行政をはじめとする幅広い組織・個人と連携し、イベントやセミナー、トークセッションを開催。インターンシップや新規事業立ち上げの資金調達などを通して、起業を目指す若者を支援している。 「NPO法人 とちぎユースサポーターズネットワーク」の古河大輔さんは、研修・人脈・相談の3つの柱で、隊員を支えたいという。「社会人経験と、起業して事業を継続する能力は別物ですし、都会と那須烏山では、できることが違います。その間に立って、ローカルで事業を展開するために必要な知識や技術、ネットワークを提供したいですね。」 開かれた環境で人と人を繋げる ―今回、市役所が民間団体に協力を要請した経緯は? 佐藤さん 「隊員の皆さんが1年、2年と活動を続けていくなかで、必ず市役所のメンバーには相談できないことが出てくるはずです。そんな時に受け皿になってくる第三者がいれば、風通しが良くなり、僕たちにはない視点で問題を解決できると思います。」 古河さん 「同時に、面白い事業を始めても、外の人たちと繋がらなければ、最終的には続かないですよね。芽が出るタイミングで地域外にも発信し、盛り上げることができれば、可能性は爆発的に広がります。そういった意味でも、『ユース』の幅広い人脈が役立つのではないかと期待しています。」 隊員の着任前に、想定される「失敗」や「障害」に対処。まちづくりを街のなかだけで完結させず、開かれたネットワークで進めていく環境が整備されている。 那須烏山市ならではの魅力と可能性 近年、那須烏山市では、空き家情報を収集・公開・利用促進する「ハウスブックプロジェクト」や地元農産物の生産・加工・販売を行う「烏合の手」、那須烏山市のコミュニケーションデザインチーム「glabo(グラボ)」、観光ツアーを主催する「クロスアクション」など、20代から40代が中心となった起業活動や市民団体の立ち上げが活発化している。 宇都宮市から那須烏山市に移り住んだ「とちぎユースサポーターズネットワーク」のプログラムコーディネーター、渡邊貴也さん(写真:左)は、那須烏山市の魅力をこう語る。 渡邊さん 「宇都宮市は人口51万人の都市なので、異業種交流会で市内の団体を網羅的に集めることは、ほぼ不可能ですが、人口3万人弱の那須烏山市では、住民同士の距離がとても近い。行動を起こせば響く環境なので、まちづくりには最適な場所だと思います。今、何かしらの団体に所属しつつ、点として動いていた市民同士がどんどん繋がっています。」 古河さん 「アイデアを持って行動している若手が、これだけ揃っていることには驚かされますね。とにかく面白い3年間になると思いますよ。こんな人になりたいという理想像や、実現させたいことの具体的なイメージを持っている方に、是非来てもらいたいです。」 佐藤さん 「夕暮れどきに家の外に折りたたみ椅子を出してビールを飲んでいると、必ず近所の人たちが集まってくるんです。そんな田舎ならではの時間を楽しみつつ、それぞれの力を持ち寄って、3人にしかできない“まちづくり”を実現させてもらえたらと思っています。」 地域内外の多彩な人とのコラボレーションを通して、どのような化学反応が生まれるのか。三者三様の経験や夢に、大きな期待が寄せられている。 *地域おこし協力隊募集要項を確認する
齊藤貴広さん・横山孝子さん
建築家プロ集団「ハウスブックプロジェクト」による空き家プロジェクト 「活動を始めたきっかけは、近代化遺産に指定されていた『烏山』駅が建て替えられたことでした。こんなに簡単に街の遺産が失われてしまうのかと、建物に関わる人間の役割について、真剣に考え始めたんです。色んな本を読んでいるうちに、人口減少と空き家の増加によって、市町村が消滅しかねない将来に危機感を覚え、那須烏山市の空き家問題に関わりたいと思うようになりました。」 那須烏山市出身の齊藤貴広さんは、宇都宮市などの設計事務所で働いた後、2008年に母の建築事務所「建築工房ヒロエ」を手伝う形で、故郷へUターン。5年後の2013年に、一般社団法人 栃木県建築士会烏山支部に所属する建築士の仲間と共に、空き家情報の集積・公開・利用促進を通して、まちづくりを推進する「ハウスブックプロジェクト」を設立した。 「実態調査をしたところ、多くの物件が見つかりましたが、代々受け継いだ場所を貸すことに抵抗を感じる方が、少なくありません。空き家の持つ可能性について丁寧にお話して、不安を取り除くことが大切ですね。」 飲み会の席で生まれたアイデアを形に 齊藤さんは、「ハウスブックプロジェクト」以外にも、様々な活動に精力的に取り組んでいる。2014年には、地元出身の同級生4人で、農産物の生産・加工・販売を行う「烏合の手」を結成。「みんなでお酒を飲んでいる時、造園業を営んでいるメンバーが、自家栽培している野菜をみんなに配ってくれたんです。ちょうどその場に、ジュース加工の仕事をしている仲間も居合わせて、那須烏山のお土産を作ろうと話が盛り上がり、実現に向けて動き始めました。」 早速、メンバーの土地で野菜づくりに着手し、果肉感たっぷりの完全無農薬トマトジュース「赤烏」を完成させた。次にJA那須南の協力を得て、栃木県産ブランド梨「にっこり」を使用した梨ジュース「梨烏」も手がけ、直売は勿論、地元のステーキハウスや物産店、那須塩原のカフェと販路を拡大している。 「ジュースは絞りたても美味しいですが、寝かせておくと熟成され、より濃厚な味が楽しめます。“七色の烏”を羽ばたかせることを目標に始めたので、今後は烏山のミカンやリンゴなども製品化したいです。」 コミュニティをデザインする「まちづくり」 「ハウスブックプロジェクト」も「烏合の手」も「まだまだこれから」と話す齊藤さんだが、プロジェクトを通して思わぬ出会いに恵まれた。その一人が、町内で床屋を経営している高橋誠一さん。環境や持続可能性をテーマに世界各地で開催されている、エコでソーシャルな飲み会「green drinks」を那須烏山で始め、「運営の手が足りないので若い力を貸してほしい」と齊藤さんに相談を持ちかけたという。 こうして2014年に生まれたのが、那須烏山市のコミュニティデザインチーム「glabo(グラボ)」。月1回行っている「green drinks」では、近隣の町から多彩なゲストを招き、年齢・経歴・業種・地域を超えたネットワークを育んでいる。「まちづくりに関わりたいとはずっと思っていましたが、動き出してみたら、同じような意識を持つ人たちがいることに気付かされました。」 建築士の仕事を軸に、新たな分野にも軽やかに飛び込んでいく齊藤さん。まちづくりは、まず楽しむことからと話す。「お酒を飲みながら、ざっくばらんに話し合うだけでもいいと思うんですよ。僕自身、『glabo』の集まりで梨農家さんと知り合ったことが、JAさんとのコラボ作『梨烏』に繋がりました。誰もが気軽に参加できて、楽しみながら輪を広げられる、そんな場になればいいですね。那須烏山はコンパクトな町で、動きが取りやすいので、その分、可能性も大きい気がしています。」 移住先で見つけた課題が人生の転機に 那須烏山市の地域医療に危機感を抱き、自らのキャリアを活かした事業をスタートさせた女性がいる。在宅医療に取り組む看護師、横山孝子さんだ。群馬県出身の横山さんが那須烏山市に移り住んだのは、1997年。知人を頼りに移住したのが最初だ。那須烏山の豊かな自然環境が一目で気に入ったという。地元の人たちの紹介で、勤務先の病院や住居、子どもの学校まで、とんとん拍子に決まったそうだ。 「那須烏山に引っ越してまだ間もない頃、息子が一人で下校していると、コロッケ屋さんのご夫婦が声を掛けてくれて、コロッケをお土産に持たせてくれたんですよ。最初から、余所者を歓迎してくれる温かい町だなあという印象で、スムーズに溶け込めました。」 転機が訪れたのは、救急外来を担当し始めた時。救急外来で90歳近いお年寄りが救急車で運ばれ、病院で亡くなる姿を目の当たりにするなかで、在宅医療の必要性を切実に感じるようになった。 「群馬の実家では、曽祖父母も、祖父母も皆、家で家族に看取られました。高齢の患者さんたちの願いが叶って、やっと自宅に帰れたと思ったら、救急車で運ばれて病院で亡くなる現状をなんとか変えたい、看護師として自分にできることはないかと考えるようになりました。」 その後、在宅医療の勉強会や講演会に積極的に参加。全国各地で、介護保険制度では対応しきれない生活支援を行う訪問ボランティアナースの会「キャンナス」と出会い、その活動と精神に「これが私の求めていたものだ」と深い感銘を受けた。 ネットワークで育てる在宅医療 一念発起した横山さんは、「在宅医療はコミュニティ全体で考えていくものなので、まずは地域を知ることから」と、お祭りの実行委員会や消防団の一員に。 「当初は、法人って何?定款って何?という、まさに手探りの状態でしたが、想いだけで動き始めたことに共感してくださった地元の人たちや議員さん、新聞記者さん、商工会の方々が、立ち上げ前から応援してくれて、空き家物件も紹介してもらえました。」 こうして2012年に、那須烏山市初の訪問看護「訪問看護ステーションあい」が誕生。5人のスタッフで始まった事業所は、現在、10人の多彩な経験値を持ったスタッフで運営されている。2015年には、念願の「キャンナス烏山」を設立し、訪問介護の有償ボランティアサービスを開始。医療保険や介護保険の範囲内でサービスを提供する「訪問看護ステーションあい」を補完する形で、外出時の付き添い、旅行介助、留守番など、保険の対象外となる支援の依頼にも柔軟に応じている。「今後も住民の方々や、行政・病院と協力しつつ、既存のシステムでは対応しきれないニーズに応えたい」という横山さん。 実はもう1つ、空き家を活用して実現したい夢があるという。「自宅での看取りは、家庭の事情や病状によっては難しい場合が多々あります。そういう人たちのために、必要な環境を整え、自宅にいるように最期を迎えられる『お看取りの家』を作れたらと思っています。訪問看護は看護士の心の集大成。地域の方々に、諦めなくていいと、希望を持ってもらえたら嬉しいですね。」 グループ応募もOK!那須烏山市地域おこし協力隊 今回初めて地域おこし協力隊を募集する那須烏山市。市民活動が活発な那須烏山市で、地元の方と一緒に街を元気にしませんか?募集は7月15日まで! *地域おこし協力隊募集要項を確認する
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